沈黙の・・・
MRIなどの検査結果が出るのは一週間後だったので、
それまでの間、私はネットで「卵巣腫瘍」について調べた。
腫瘍、と聞くと個人的には「できもの」、それもいいやつと悪いやつ、
という印象がある。
母の場合はいいやつばかりで数回手術しており、健在だ。
娘の場合は悪いやつで手術して、現在は寛解している。
卵巣腫瘍の9割は良性、1割は悪性だという。
良性腫瘍の中はだいたいが液体で詰まっているが、中には爪や毛髪などが
できるものがあるらしく、ブラックジャックのピノコはこれが着想の元らしい。
(実際には、あれほど完全に揃う事はないらしいです)
悪性の場合は液体ではなく、固まりがあるのだそう。
ところでこの腫瘍、ある程度大きくならないと自覚症状がない。
しかも、ある程度大きくなった時点で茎捻転という状態、つまり腫瘍の根元が
ねじれてしまう状態になると、もう手術するしか治療法はないのだとか。
漫画家の大島弓子さんは、まさにこういう状態で病気が発覚したとその
著書で描かれているが、作中でもふだんからずっと痛かったわけではないことが
うかがわれるのである。(「グーグーだって猫である」第二巻)
ちなみに、この茎捻転が起こりやすい腫瘍の大きさは、5~7センチ以上だそうだ。
卵巣の正常な大きさはアーモンドの粒くらいの大きさだとかで、かなり
大きくならないと症状が出にくいのだな・・・と思ってしまう。
また、卵巣という臓器は毎月細胞分裂を繰り返しているからか、
人体で最も腫瘍ができやすいのだそうだ。
が。
それにもかかわらず、自覚症状がない。
ゆえに「沈黙の臓器」と言われるのはそのためだとか。
・・・そうなのだ。
私の場合の自覚症状・・・もともと子宮筋腫はあったのでそれが大きくなりすぎたか、
年齢から更年期やもろもろの要因で、さらにややこしくなっていたような気がする。
おなかが出てきた→太った?
不正出血→子宮筋腫か、更年期?
おなかのちくちくした痛み→話に聞いた排卵痛?
腰痛→姿勢が悪いから?
頻尿→更年期?
性交痛→子宮筋腫か更年期?
とまあ、自覚症状というのならば、こういう事があったのだ。
しかも、みんな卵巣腫瘍が原因だとは思わなかったという、この事実!
・・・まあ、誰でもなぜか「私だけは○○にならない!」という自信が
あったりするものだと思うけれど(笑)。
私の場合、おなかから触れるわ、立っていても座っていても下腹部に
違和感が出るようになってきていたわ、という状態だったので、
これはもう手術になるだろうな、と思った。
手術方法は開腹手術と腹腔鏡手術があるらしく、また、腫瘍だけを取る術式、
卵巣ごと腫瘍をとってしまう術式、そして卵巣と卵管を取ってしまう術式が
あるとのことである。
どちらにせよ、「面倒な事になったな・・。」というのが正直な感想だった。
というのも、私は毎日、娘の送迎をしていたからである。
身内が同じ市内に住んでいるので、手術前提で話をしてみることにした。
しかし、なんだか落ち着かない。
早くはっきりしてほしい。
悶々と待っているのは嫌だ。
そんな気持ちで、私は日々いろいろなブログや記事を見続け、
やっと一週間後を迎えた。
余談だが、「卵巣腫瘍がある。」と言われた翌日に、私はなじみのある
お山登りをしてきた。
そこはある神社ゆかりのお山なのだが、ひたすら歩いていると、
病気の事など忘れていた。
「病は気から」というのは、よく言ったものだな、とその時に痛感した。