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子宮内膜症→チョコレート嚢胞(ここまで自覚なし)→明細胞腺がん発覚。今は経過観察中。ふだんは漫画やアニメの話題など。

たちどまる

 

 

手術の日も決まったし、自動的に入院は前日となったので、

もう後戻りはできない。

 

「やっぱり3月の方がよかったかなあ? それなら、学校の送迎も

頼まなくてもいいし・・・。」

と。

後回しにしたい私が、そうつぶやく。

だが、それは物理的にもすぐに却下された。

仰向けに寝るのがつらいなんて、妊娠以来である。

座っていても、ずどーんと下腹部に迫る重量感。

「こんなん、おいとけへんやろ!」

という自問自答をしばらく繰り返したのち、やっぱり乗り気になっている

今しかない、と思いなおして、書類に目を通す。

しかし入院するのに、たくさん書かねばならないな・・・。

保証人などは娘の入院の時に書いたが、私立の病院だからなのか、

各診療科にわたる質問票がかなり長い。

ああ・・面倒だ。これは、もうちょっと後で書こう。

とりあえず、保証人の書類だけは先に書いてもらっておこうと、

私は早めに実家へ行って、書類を書いてもらった。

 

入院まで約2週間あるので、それまでに最低限はやらねばならないこと、

あるいはやりたいことがいろいろとあった。

 

そんな中、最後の生理がやってきた。

最後までちゃんと仕事をするんだなあ・・・と思うと、妙に切なくなる。

私はここ数年、布ナプキンを使っていて、場合によっては紙ナプキンも使っていた。

布ナプキンにすると、経血量がよくわかるのである。

ここのところ、毎月ではないが経血量が極端に少ない月があった。

私は単純にそれを更年期の始まりだと思っていたのだが、

腫瘍のせいだったのかもしれない、と今なら思える。

 

生理が終わりそうになった時、一抹のさみしさを覚えた。

それが終わることをさみしく思える日がくるなんて、しかもそれが

突然くるなんて、予想もしていなかった。

普通に更年期がやってくるものだとばかり思っていたから。

 

余談だが、卵巣腫瘍があっても生理はちゃんとやってくる。

だからこそ、異常だとは思わない。

こういう面でも、「沈黙の臓器」だと言われるのだろう。

 

しかし。

両方の卵巣と子宮がなくなるという事実に、私はまだ実感が湧いていなかった。

子どもにも恵まれたし、年齢的にも更年期間近という事で、否応なしに

そういう選択になったのだと思うが、もし私がまだ未婚だったり、

子どもを希望する状態だったら、悪性でも残したいと思うのだろうか、と考えた。

今の命をとるか、

未来の命をとるか、という選択は、想像できない。

卵巣腫瘍ができる年齢層は幅広いというし、今、この時点でそういう選択に

直面している人がいるかと思うと、頭が真っ白になる。

 

私の場合、母や私が卵巣腫瘍になったということは、二人の娘もそうなる

確率が高いように思われる。

簡単に、しかも早く確実に卵巣腫瘍だとわかる検査方法があればいいのに、と

切実に思う。 

どなたか、作ってください。