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子宮内膜症→チョコレート嚢胞(ここまで自覚なし)→明細胞腺がん発覚。今は経過観察中。ふだんは漫画やアニメの話題など。

入院

 

H25年2月27日

 

いよいよ入院。

私だけの入院は久しぶりだ。

一人分だと、荷づくりもあっという間に終わってしまった。

10時に受付まで来て下さいと言われていたので、逆算して

姉が迎えに来てくれた。

 

病院へ着いて受付をすませると、ほどなくして病棟の看護師が

迎えに来てくれた。

が、対応の様子から姉が入院すると思われたらしくて、姉は苦笑していた。

 

病棟へ行き、病室へ案内されると、とりあえず着替えるようにと言われる。

パジャマに着替えるといきなり病人の気分になってしまうが、それでも

まだベッドへ行かない限りはまだ完全に病人というわけでもないな、と

わけのわからない理屈がふっと頭に浮かんで消えた。

 

着替えが終わった頃を見計らって、看護師がやってきた。

腕にリストバンドをつけられる。ああ~。病人気分が少し高まってしまった。

その後、血圧や体温を測って詳しく問診。

 

そのあとで、とうとう腕に点滴用の留置針が入った。

針を入れる時に横になったとたん、「ああ、入院したんだ。」と

急に実感がわく。

 

主治医から手術について詳しい説明があるとのことだったが、

主治医がなかなか現れない。

看護師からはちょっと遅くなるかもと聞き、姉には娘のお迎えを

頼んでいたので気をもんでいたところへ母がやってきたので、姉は

安心して帰って行った。

 

そののち、麻酔科から麻酔医がやってきて、説明があった。

今回は硬膜外麻酔と、気管への挿管による麻酔を併用するという。

硬膜外麻酔というのは、背骨の中にある脊髄を覆う硬膜の外側に

細い管を入れ、麻酔薬を注入して痛みをとる麻酔方法の事である。

全身麻酔と併用して術後の痛みを軽減させる効果があり、

手術中は麻酔薬を注入して麻酔効果を強めたり、術後は

そこから少しずつ痛み止めを入れられるという。

私は硬膜外麻酔は初めてだったのだが、母が経験して話を聞いていたので、

なんとなくイメージはつかめていた。

麻酔による後遺症などの説明も聞いたあと、麻酔医による説明は終わった。

 

その後、主治医がやっと現れて母と一緒に説明を聞いた。

ここでも、悪性の所見は出ているがたぶん大丈夫だろう、とのことだった。

実際、開けてみて検査をしなければ確定しないのだから、どうしても

推測でしか話ができないのである。

 

母が帰った後、今度は手術部の看護師がやってきて、手術当日の流れを

事細かに説明してくれた。

説明書にはけっこう細かく書かれているが、覚えなくてもいいし、

ひとつずつ声をかけながら進めて行くので安心してくださいね、との事だった。

そのあと、食事と飲み物の制限時間の説明があり、それで術前の説明は

全部終わった。

 

娘が手術を受ける時はそうでもなかったのだが、自分が手術を受けるとなると、

なんだか説明がめまぐるしく感じられるのが不思議だ。

娘自身は、どう思っていたのだろう・・・?

 

 

手術前日なので特に行動に制限はなかったが、院外へ出るのだけは

禁じられた。もう留置針も入っているし、外出してみようなんて気は

さらさらなかった。

 

ところで病室だが、私は社交的ではないし、術後が一番痛いとネットで

読んでいたので、10日ほどならと思って、思い切って個室にした。

差額は大きいが、個室だとトイレやシャワーを自由に使えるので、この点が

一番よかったと思う。

特にトイレについては、個室にして本当によかったと思った。

部屋の外に行かねばならなかったら、たぶん大部屋でポータブルトイレを

使う羽目になっていたかもしれない。

 

早めにシャワーを浴びて髪を洗ってしまうと、あとはヒマだった。

 

看護師がやってきて、おへその掃除をしてもらう。

そのあと剃毛するのかなあ、と思っていると何もしなかったので

あれ?と思って入院スケジュールを見てみると、その部分は消されていた。

帝王切開や出産の時はしたので、てっきり今回もあるものだと思っていたのだ。

・・・この件については、のちになんとなく後味の悪い結果になるのであるが。

 

 

夜になって、担当看護師がやってきた。

この病院は二交代制だそうである。

今晩は特に何もなく、寝る前に安定剤と下剤を飲むだけで、あとは

好きにしていていいとの事だった。

個室なのでテレビも大丈夫だし、点滴がつながれていないので

電話をしてもいいとも。

 

病院食は、思ったよりおいしかった。

娘が入院していた病院の病院食はあまりおいしくなかったので、

この点は良かったと思う。

 

娘と言えば、入院中は「このベッド、寝心地いいねん。」と言っていたが、

たしかに患者のベッドは寝心地がよかった。

 

ゆるゆると時間が過ぎていく。

静かすぎる時間だ。

ふだんなら人間4人と猫1匹の生活なので、なにかと音と気配に

あふれているのだが、ここはひたすら静かだ。

 

消灯時間が21時なのだが、その前に少し早目に休もうと思い、薬を飲んで、

寝る用意を済ませた。

 

が。

ふだんは宵っ張りなのでなかなか寝つけず、おまけに救急病院なので

うつらうつらしたころにやってきた救急車の音で目が覚めていたので、

あまり寝られないまま、その夜を過ごすことになった。