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子宮内膜症→チョコレート嚢胞(ここまで自覚なし)→明細胞腺がん発覚。今は経過観察中。ふだんは漫画やアニメの話題など。

術後2日目

 

H25年3月2日

 

なんとなく頭の芯がぼうっとしたままで、朝を迎える。

昨日と同じく、朝の注射から一日が始まった。

 

窓にはブラインドがあるのだが、昨日はずっと閉めっぱなしだったので

私は少々いらいらとしていた。

私は朝になったらカーテンを開けて、まず窓を開けたいほうである。

薄暗いのも好きだが、朝だけはそうしないと気持ちが切り替わらない。

 

今朝も「ご飯食べてね~。」と言いつつ、看護師がベッドを上げて、

ベッド柵にテーブルを渡して食事の準備をしてくれた。

が。自分ではまあまあ食べたつもりになっていても、看護師から見ると

食べていない方に分類されるらしく、「うーん。もっと食べてほしいなあ。」と

言われてしまうのだった。

 

なんとなく、娘が入院していた時と状況がかぶる。

化学療法中、がくんと食欲が落ちた娘に、医師や看護師が

「食べないと治らないよ~。」とよく言われていたのだが、

食べたくない時に食べろ食べろと言われると、つらいだけなのだ。

娘は看護師によく当たっていたが、今ならその気持ちが少しだけわかる。

 

なんだか今回の入院は、「あの時の娘の気持ちを我が身で考える」という

ことだらけだ。

 

 

ところで、手術中の出血のせいなのか貧血状態になっているとのことで、

静脈注射で鉄剤が入ることになった。

ヘモグロビン量が8しかなかった。11.3~15.2が基準値なのだが、術前は

11.3と最低ラインすれすれだったので仕方がないのかもしれない。

しかし錠剤でなくてよかった。錠剤だと、お通じがとたんに悪くなるのは

経験済みだ。そういうこともあって静脈注射なのかもしれないが、まあ、

血管に入れてしまう方が手っ取り早いのかもしれない。

※ ちなみに静脈注射といっても、点滴がずっとつながっていたので

メインルートの枝から入れていた。

 

午前中、ふいに主治医が現れて背中のチューブを抜いた。

痛くもなく、あっという間に終わった。

あのチューブには痛み止めが入っていて、そのおかげで傷の痛みも

あまり感じなかったのである。

入れる時は痛かったが、あってよかったものと言える・・・かもしれない。

 

母が来て、しばらくしてから体拭き。

二人がかりだと、あっという間に終わる。

この病院は体拭きに使うタオルは、自前のものを使うらしい。

病院によっていろいろとシステムが違ってとまどいもあり、

観察するのもそれはそれで面白かったりする。

 

そのあとに、また食事の時間がやってきた。

少しは食べられるようになってきたが、まだ半分食べられるかどうか、

という感じ。

 

母といろいろな話をしていると、とうとう今日もまた尿導カテーテルを

抜いてみますか?と看護師が言ってきた。

抜くことには不安はあるが、いつまでも管が入ったままというのもいただけない。

思い切って抜いてみることにした。

管を抜いてしばらくすると、尿意がやってきた。

ナースコールすると看護師がやってきて、昨日と同じくゆっくりと声を

かけながらトイレまでついてきてくれる。

トイレに座った時点で、母がいそいそと帰ってしまった。

昨日の私の状態を見ているから、見たくなかったのだと思う。

が。

今日は、ちゃんと尿が出た。

下腹部が少し痛いが、自分で排せつできるというのは大きい。

ずっと様子を見守っていた看護師と、ふたりで喜んだ。

少し涙ぐんでしまったほど、うれしかった。

 

 

うれしいと言えば、この日、点滴のルートも止めることになった。

食事も少しずつ取れてきているから、というのが理由で、あのまま何も

食べられなかったら栄養点滴になっていたそうである。

そして、そこで思わぬ再会をした。

その名も通称ヘパロックことへパリンロック!

留置針のルート内で血液が凝固しないようにへパリンという液を

注射するのだが、それは娘がかなりの回数お世話になった注射で、

私も外泊の時にその注射をしていたのである。

で、娘はその注射をするたびに「なんか冷たい」「匂いがする」と

言っていたのだ。

冷たさは本人ではないからわからないが、匂いは個人的なものなのかな、

と思っていた。

だがしかし、自分がそれを受けてみると、冷たさも感じたが、

匂いも感じたのである。

水っぽいスイカのような匂いが近いかな・・・。

思わず旦那さんに「へパロックの匂いした!」と娘あてにメール

したら、すぐに返事がきた。

「なんともいえん匂いがするやろ?」と娘から伝言。

 

導尿カテーテルが抜けてからは、かなり頻繁にトイレへ行った。

こういうとき、個室にしてよかったと思った。

そうでないと、出入りだけでも気を使ってしまう。

 

夕食も、管がないので座って取りますか?と言われたので座ってみた。

なんとか座れたが、背中がまっすぐにならなくてちょっと

つらかったのだが、4分の3くらいの量は食べられた。

朝と昼のことを思うと、かなりの進歩だ。

やはり管がない解放感だろうか?

 

 

この日は、調子に乗って初めて持ってきていたiPodを聞いてみた。

が。

音が妙に頭の中で響いたので、2曲だけ聴いてやめた。

ちなみに聴いた曲は、「ヱヴァQ」のサントラより。

テンションは上がるが、頭がもたないという残念な理由で

しばらく音楽は封印。

 

なんとなく、先が明るく見えてきたような気がして、

一気に気分が上がる。

昨夜のあの落ち込んだ気分とは、まったく正反対だった。

 

※ 書いていないが、1日目、2日目の夜に血栓予防の

 注射を打っている。